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分かりやすいキャッシング 比較

経済学の教科書に出てくる「効率的市場仮説」によれば、企業の収益予想は既に株価に組み込まれているので、このようなやり方は無意味だということになっている。
しかし、これはあくまでも、誰もが正しい情報を只でしかも瞬間的に手に入れることが出来る、と効率的市場仮説 経済学において、資本市場における情報の伝達・処理の効率性は、通常次の三段階に分けて議論されている。
 まず、過去の株価が持つすべての情報が現在の株価に反映されているとき、市場は「ウィーク・フォーム」の効率性があるという。
市場がこの意味で効率的であれば、過去の株価によって将来の株価を予測することは出来ない。
従って、この仮説が成り立つときには、テクニカル分析でコンスタントにマーケットに打ち勝つことは出来ないことになる。
 次に、公開された情報がすべて株価に反映されているとき、市場は「セミ・ストロング・フォーム」の効率性を満たしているという。
これは、投資家がマクロ経済データや企業の財務諸表などに示された情報をもとに、将来の株価を予想することは出来ないということを意味する。
従ってこの場合、通常の意味でのファンダメンタル分析の有効性は否定される。
ただし、特に有能なファンド・マネージャーが、他の誰も知らない株価と経済データとの間の特別な関係を知っている場合は別である。
 最後に、公開されたものか私的なものかを問わず、すべての情報が株価に反映されているとき、市場は「ストロング・フォーム」の効率性をもつという。
 経済学者たちは従来、市場はウィーク・フォームの効率性を満たすと主張してきた。
しかし教授らは、ニューヨーク株式市場の五〇年間分のデータをもとに、この仮説が成り立だないことを検証したのである。
この結果、もちろんセミストロング・フォームの効率性も否定されるから、ファンダメンタル分析が役に立たないという主張も否定される。
いう単純化に基づいた理論である。
 実際には、個人ごとに保有する情報量や分析能力に差があるから、優れた情報分析能力を持つ人が、他人より良い成績を上げる可能性は十分にある。
仮に、ある個人が企業に関する極秘データを持っている場合には、それを利用して市場平均を大きく上廻る収益を上げることが出来るし、特別に未来を予測する能力が優れているファンド・マネージャーならば、他の人より良い成績を実現出来る場合もあるだろう。
 しかし、S氏教授も言うとおり、”すべてのファンド・マネージャーが、いつも市場平均を上廻ることは出来ない”のである。
 では、株価分析に費やす時間もなく、また余り大きなリスクを取ることも出来ない一般市民は、一体どうすれば良いのだろうか。
実のところ、資産運用理論の専門家ということになっている筆者自身、恥ずかしいことながら、自分の資産運用には全く困り果てているのである。
 間もなく定年を迎えることになっている人は、最低でも年三~四%の金利は保証されるものと想定して、老後の計画を立ててきた。
したがって、バブル以前のように金利が“正常な”水準にあれば、今頃ジタバタする必要はなかったであろう。
ところが、無危険資産(国債)の利回りが二%以下だとなれば、やはり多少のリスクを覚悟で、もう二~三%の上積みを取らなくてはならない。
 しかしここ数年間、研究・教育・社会活動、その他雑用に年間三〇〇〇時間以上を取られているため、テクニカル分析に時間を割く余裕は全くなくなってしまった(ともかく理工系大学というところは忙しいのです)。
一方のファンダメンタル分析にいたってば、情報収集と分析にテクニカル分析より多くの時間がかかる。
 また、標準的ポートフォリオ理論を用いた(国際)分散投資となると、少なくとも億単位の資金が必要である。
なぜなら、数理モデルを使って、リスクを分散させたポートフォリオを組むと、少なくとも数十銘柄への分散投資が必要となるからである。
 そこで自らの必要に迫られ、ここ数年にわたって個人ベースの資産運用に焦点を絞ったポートフォリオ理論の研究を行っているが、銘柄数制限や最小取引単位制約などの壁を乗り越えて、これを実用化に結びつけるまでには、まだしばらく時聞かかかりそうである。
 こうなると、残る選択肢は次の三つしかない。
・これから先、一〇年程度は絶対確実な成長が見込める(と自分が考える)いくつかの銘    柄に投資する。
・信用できる国産投資信託に投資する(外国企業の投信は、その収益の一部を本国に持って行かれてしまうので、少々口惜しい)。
・残りは、普通預金で金利ゼロに甘んじる(定期預金は、米国の研究仲間に聞かれると恥ずかしいくらいの低金利である上に、ペイオフの際に1000万円を超える分は、全額が戻ってこない心配があるから避ける)。
 一つ目は完全自己責任、二つ目は半自己責任、三つ目は無危険運用である。
もし本当に信頼できる国産投資信託があれば、完全自己責任分を半自己責任に廻しても良いと考えているが、少なくとも現時点ではまだその気になれない。
一九九八年秋の大手ヘッジ‐ファンドL社の経営破綻は、世界の金融界に大きな衝撃を与えた。
 L社は、「投資の神様」と呼ばれたM氏が一九九四年に設立したもので、社員は一七〇人と小規模であるが、ピーク時には約六〇〇〇億円の資産をもとに、銀行借入れなどによって二〇兆円近くの株や債券と、想定元本三〇兆円を超えるデリバティブを動かしていたという。
 ヘッジ‐ファンドというのは、一九四九年にJという社会学者以来の歴史を持っている。
これは、少数の富裕層を相手にする資産運用会社で、その運用の特徴はファンド・マネージャーに対する成功報酬制度と、銀行借入れやデリバティブ手法を用いたレバレッジにある。
 米国では、一般の投資家を相手に資産運用を請負う投資顧問会社に対しては、投資家保護のために作られた法律「ERISA」にもとづく様々な規制がある。
しかしヘッジ‐ファンドは、少数の人たちを相手にするものであることを理由に、この規制の対象から外されてきた。
 ヘッジ‐ファンドの中で特に有名なものとしては、S氏の「クォンタム‐ファンド」や、運用失敗でこの四月に店仕舞いしたH氏の「タイガー・ファンド」などがあるが、L社はこれら数あるヘッジ‐ファンドの中でも、突出した収益を上けていた。
一九九五年には四三%、九六年には四一%の配当を行ったという。
米国の国債利回りが五%程度であったことを考えると、この数字はまさに驚異的である。
ところがこの会社が、ロシアの経済破綻のあおりで、呆気なく倒産の危機に瀕したというのである。
 筆者は、この新聞報道の約二週間前の時点で、L社の経営危機について知る機会があった。
ベルギーで開かれた、数理ファイナンスの国際会議に出席した同僚から、この話題でもちきりだった、という話を聞かされていたからである。
研究者の間でこれが話題になったのは、ノーベル経済学賞を受賞した二人の経済学者、H氏とM氏が、この会社に経営者(パートナー)として加わっていたからである。
 米国のファイナンス研究者の究極の目的は、会社を興して自分の理論を現場に適用し、巨富を得ることである(もちろん、そうでない人も居ないことはないが)。

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